1964年生まれの長崎銘菓「クルス」と1990年生まれの長崎ボンパティの「ワッフル」。

実はどちらも<小浜食糧>の看板商品で、いわば家族(ファミリー)のような間柄。

そして、「いつかクルス味のワッフルを作ってみたい」という私たちの24年越しの夢が、

このたび地元の生姜農家さんとの幸せな出会いによって、ついに実現。

それが、試行錯誤の末に生まれた自信作「クルスワッフル」です。

 

生姜味のワッフル。最初はなかなかイメージがつかめずに、試作と失敗の繰り返し。

でも、キューブカットの生姜ジャムに仕上げてオリジナルクリームの中に味と食感にアクセントがつき、

ワッフル生地も生姜をたしてみたら全体の味のバランスが絶妙になり―。

うんうん、これならいけそう! そうして、少しずつ理想のカタチに近づいていきました。

砂糖で炊いて3週間寝かせたキューブカットの生姜ジャム
砂糖で炊いて3週間寝かせたキューブカットの生姜ジャム

どうです、この笑顔。松本農園4代目の松本政彦さんと綾子さん夫妻です。

「作り手が生き生きと仕事に取り組んでいるからこそ、できた生姜もおいしいのだ」と

お二人にお会いしてつくづくそう思いました。

島原半島では昔から火山灰土の肥えた土壌で生姜をはじめ根菜類の栽培がさかんに行われてきました。

松本農園さんも江戸時代から120年続く生姜農家。代々受け継いできた栽培法に新たな工夫を重ね、

また生姜を使った加工食品開発など夫婦力を合わせての数々の取り組みが評価され、

平成25年度の「ながさき農林業大賞」では優秀な農家として県知事賞を受賞されたんですよ。

掘り出されたばかりの生姜のなんとみずみずしいこと! これが松本農園さん自慢の生姜です。やわらかくて辛みがマイルドで、繊維質が少なくて。露地栽培では4月に種生姜を定植しますが、その後も除草、土寄せと農作業は続きます。その中でも一番大変なのは夏場の水やりだそうです。その点、ここ島原は土壌も肥えている上に、湧水も豊富で農業者にとってはとても恵まれた環境といえます。取材にうかがったのは11月の収穫期。この時期だけは大勢の助っ人を頼んで、掘り起こしから茎の切り離し、コンテナ詰め、計量、保冷庫への運搬作業と朝から日暮れまでフル回転。今年の出来は?とお尋ねしたら、「大ぶりに育ちました!」と松本さん夫妻は満面の笑顔でした。


ミネラル豊富な火山灰を多く含むこのフカフカの土壌では、おいしい根ものが育つそうで、まわりを見わたすと、人参や大根の畑も広がっています。松本農園さんはこの土に米ぬか、骨粉など独自の配合をした完熟の鶏糞堆肥をたっぷりとすき込んで、生姜の品質向上に努めていて、掘り出された生姜はかなり大きくて立派! 今、メインの白い生姜のほかに赤生姜と黄生姜も栽培中とのこと。収穫した生姜の中から、これはちょっ個性的で面白そうというものを種にして株を倍々に増やしていくそうで、商品として出荷できる生産量までもっていくには5~6年かかるそうです。赤生姜はジンゲロールという辛み成分が白の倍で、「葛湯に入れて飲んだら、ぽかぽかに温まりますよ」ということでした。


島原市の畑作中心地である三会原地区では輸入物におされて生姜農家は最盛期の約半分に減ってしまったとか。でも、残る農家は松本農園さんも含めてより質の高い生姜作りに意欲を燃やしていて、農業者の平均年齢も低め。つまり若い後継者たちが育っているということで、頼もしい限りです。松本家もすでに大学生の長男が5代目宣言。そして調理師専門学校に通う次男は生姜を使ったスイーツ作りに、高校生の長女は得意の英語を生かした松本農園の情報発信に、と今から意欲を燃やしているとか。もう生姜ラブラブの一家です。こんなに愛情たっぷりの環境で育った生姜を分けていただくのですから、私たちも負けずに生まれたての「クルスワッフル」を大切に育てていきたいと思います。

2014年11月取材 


生姜の食感がたまらない

クルスワッフル 

 

 

冷蔵3日間 冷凍保存30日

 

    

クルスワッフル、新しい個包装に変わりました。
クルスワッフル、新しい個包装に変わりました。